今回は、昨年11月に複業マッチングサービスKROW株式会社を創業されたお二人にお話を伺いました!

なんとお二人は中学時代からの親友で30年来の仲だそうです。

VACANCY(コワーキングスペース)を長年ご利用いただいているのですが、いつもお仕事の合間に一緒にランチに行かれていたり、本当に仲が良いのだなという印象を受けました。

そんなお二人ですが、すぐに起業をされたという訳ではなく、お二人とも大学卒業後、大手企業で勤められた後に独立されています。

記事の前編では現代の働き方や複業のメリット、創業された事業について、後編では起業に至る経緯やご家族のこと、お二人の出会いについて詳しく伺いしました!

複業や起業に関心をお持ちの方はもちろん、多くの方が働き方について考えるきっかけとなるようなお話ですので、ぜひご一読ください!

後編はこちら

プロフィール

宮内正久

2002年早稲田大学大学院理工学研究科電子・情報通信学専攻卒業後、同年にソニー株式会社に入社。その傍ら、2014年には一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)にてクラウド部会副部会長に就任。2018年2月にKROW株式会社を設立し代表取締役に就任。2018年10月にソニー株式会社を退社、同年11月よりKROW株式会社の本格創業をスタートし現在に至る。

池田暁

2000年慶應義塾大学環境情報学部環境情報学科を卒業後、翌年、凸版印刷株式会社に入社。2013年より個人事業主としての活動を開始し、2018年2月にKROW株式会社を設立、取締役に就任。2018年9月に凸版印刷株式会社を退社し、同年11月よりKROW株式会社の本格創業をスタートし現在に至る。

ー昨年11月に会社を創業されたと伺いました。KROW株式会社はどのような事業を運営されているのですか?

宮内 「楽しくカッコよく働く」をコンセプトに、複業マッチングサービスを運営しています。複業とは複数の本業を持つことを指しています。

“Krow changes work.”が社名の由来で、働き方が変わっていく時代の最前線にいたいという想いを込めました。

ーなるほど、KROWを後ろから読むとWORKになっているのですね!働き方に関心を抱いたきっかけは何だったのですか?

宮内 前職でリモートワークの制度があったのですが、実際には普及していませんでした。それがきっかけで、満員電車に乗る必要が本当にあるのか、田舎に住みながら働くという選択肢があっても良いんじゃないかと思うようになりました。働き方が変われば、社会の仕組みも人々の生き方自体も変わっていくので、そこに自分たちが関われたら良いなと考えました。

ーやはり日本の働き方には問題があるのでしょうか?

宮内 そうですね。ある調査によると、日本の労働生産性は主要先進7ヵ国で最下位、従業員のエンゲージメントも最下位という結果が出ています。

ー日本が最下位という結果には驚きました。働き方に問題意識を持つ中で、複業に焦点を当てたのはなぜですか?

宮内 複業によって、より「楽しく」働くことができると考えたからです。例えば、人々がネットゲームにはまる理由として、自己決定権や成長性があること、自己表現が可能であること、コミュニティに属する楽しさがあることが挙げられています。また『モチベーション3.0』の著者であるダニエル・ピンク氏によるとモチベーションにおいて大切なのは、お金よりも自主性成長性目的であることがわかっています。

20世紀までは単純労働の時代でしたが、21世紀は個人のモチベーションやアイディアが大切になる時代です。そこで複業に着目しました。

ー複業にはモチベーションを向上させる要素があるということですか?

宮内 はい、私自身がそれを体感しました。前職の他にIT業界の団体に所属して副部会長として活動していました。IT関連のイベントを自主的に開催する中で、業界に少しでも貢献できているという実感を持ち成長を感じました。

また、実際に多くの複業希望者が複業に期待することとして、成長貢献やりがいを挙げているんです。メインの職場で決定権がない場合でも、複業先では決定権がある場合が多いので、複業によって目的を持ち自主的に行動しやすくなりますね。

ー労働者視点でのメリットを伺いましたが、企業視点で何かメリットはあるのでしょうか?

宮内 そうですね。現状、中小企業の多くは人材の確保や営業の強化を課題としています。例えば、ITを導入したいという想いがあっても、ITに詳しい人材がいない、高額なコストを負担できない等の理由でITに取り組まない企業も多いです。これはITに限ったことではなく、中小企業が国際化しない理由にも同じことが挙げられます。そこで正社員を採用するよりも低コストで知識や経験のある人材に仕事を依頼できるというのは理にかなっているんです。

ー複業には様々なメリットがあることが分かりました。その中でも、一番のメリットはなんだと思われますか?

池田 心理的なハードルの低さですかね。転職だと職場に適応できるかどうか不安になると思うのですが、複業だと単発のお仕事なので、そこら辺を確認しながらお仕事ができます。環境が変わることで力がつくとは言え、怖さもある。そんな時に、心の安全性経済基盤を保ちつつ挑戦しやすいことが複業の一番のメリットだと思います。

ー経済基盤を保ちながら挑戦できるというのは大きなメリットですね。池田さんも以前、転職を考えて思いとどまったご経験があると伺いました。

池田 はい、前職で配属先の業務がどうしても自分に合わず転職を考えたことがありました。実際に転職活動をして内定もいただいていて……。そのことを上司に相談した際、「今の業務が合わないなら新しい部署に異動してみたら?」とご提案いただき転職を考え直しました。

ー転職を考え直されたのはどうしてですか?

池田 まず、転職先がどういう環境なのかも働いてみなければ分からないですし、新たな職場で人間関係を構築するのには時間がかかります。もちろん0からスタートする面白さはありますが、今まで培ってきたベースがあるからこそ逆に挑戦できるのではないかと考え部署を異動する決断をしました。

ー複業をするといっぱいいっぱいになってしまうイメージなのですが、実際はどうなのでしょうか?

宮内 今までの生活とは確かに少し変わりますが、やりくりはできると考えています。例えば、子育て中の母親の効率はすごく良いと言われていて、限られた時間の中でアウトプットをすることになるので、だらだらとした仕事が減りますよね。時間効率が上がり生産性が上がります。それと同じで、複業によって仕事を限られた時間に詰め込み取捨選択ができるようになり、生産性が上がる。そういう意図で働き方改革も進められているんです。

池田 加えて環境が変わってきていることも大きいと思います。以前までは、とても忙しくて会社に泊まるなんてこともよくありました。そんな働き方が当たり前な時代で……。でも今は違います。残業は減らす方向になり、モバイルパソコンを持てるようになりました。残業時間を複業に当てられる人が最近は増えているのではないかと思います。

宮内 仕事は土日を使ったりとかやろうと思えば永遠とできますが、やればやるほど成果が上がるものでもないんですよね。何より健康を害しては元も子もありませんし。

池田 後、これは結構重要なポイントで、複業は好きなことをテーマにしていることが多いので、実際仕事と趣味の境目があまりないんです。僕の場合、地元で讃岐うどんを打つ会とか、好きなワインをみんなで飲むワイン会とか、そいういうのが徐々にビジネスになりました。全く苦にならないので、映画を観に行くよりも僕としては楽しいです。笑

そういう風に思えるものをやっていくことがオススメですね。

ー好きなことが仕事になれば楽しいですよね。

宮内 ただ、そこは仕事なので「楽しく」だけだとどこか違和感を感じて……。楽しくに加えて「カッコよく」をキーワードに事業を運営しています。

ー「カッコよく」はKROW株式会社のコンセプトにも含まれている言葉ですね。カッコよくとはどういうことですか?

宮内 振り返ってみると、人生のターニングポイントで出会った人々、例えば業界団体で出会った社長のみなさんは僕から見て本当にカッコよかったんですよね。考えてみると、カッコつけるためには楽しむだけでなく、それなりに頑張らなければなりません。だらけたいという気持ちがあっても仕事に対して責任感を持って働いていくことで成長していって、それが楽しさとなりカッコよさになると考えています。

池田 僕の中でカッコよさというのは、主体性の問題だと考えています。KROWのサービスは、実は昔の自分たちのためにやっている部分があります。大きい会社にいると、どうしても自分たちだけで決められない部分があって……。そんな中でも、自分の生き方を主体的に選び取っていく姿勢って大切で、それがカッコよさだと思います。複業は基本的に個人事業主として自分の名前で仕事をしていくので、主体的に選択をしていくということに繋がるんですよね。

ーでは最後に、KROW株式会社のビジョンを教えてください。

宮内・池田 サービスを通じて「楽しくカッコよく」を多くの人に体感していただくことです。そのために自分たち自身がそれを体現し続けていきたいです。

宮内 個人的な目標ですが、僕はひどい花粉症なので、花粉の時期に沖縄で仕事ができる状態にしたいという野望がありますね。笑

池田 僕は家族に納得してもらうことですかね。もちろん理解してくれているのですが、子どもが生まれるタイミングで会社を辞めて起業しているので、ちゃんとこの選択で良かったなと家族に安心してもらえるように頑張りたいですね。

ー宮内さん、池田さん、ありがとうございました!

後編では、起業に至る経緯やご家族のこと、お二人の出会いについてお伺いしていますので、ぜひご一読ください!

お読みいただき、ありがとうございました!

p.s.

そんな宮内さん・池田さんとお話してみたい!お二人が利用しているVACANCYってどんなところなの?とご興味を持ってくださった方はぜひぜひVACANCYにお越しください(^^)賑やかなオーナーとお待ちしております!